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障害年金の概要

障害年金とは

障害年金とは、ケガや病気により、身体や精神に障害を負い、仕事や日常生活に支障のある方が受け取ることのできる公的年金です。

※障害年金は、原則、20歳から64歳までの方が請求できる年金です。

3つの受給要件

障害年金を受給するためには、「初診日要件」「保険料納付要件」「障害認定日要件」の3つの要件を満たす必要があります。

1.初診日要件

初診日」とは、障害の原因となったケガや病気を医師又は歯科医師に初めて診てもらった日のことです。
障害年金を請求するためには、この「初診日」がいつなのかを証明する必要があります。

初診日の例外規定

状況 初診日となる日
同じケガや病気で転医があった場合 最初に医師等に診療を受けた日
同じケガや病気で再発している場合 再発後、医師等の診療を受けた日
ただちに治療が必要と認められる健診結果で、請求者本人から健診日を初診日とするよう申立があった場合 健康診断を受けた日
誤診の場合 正確な傷病名が確定した日ではなく、誤診をした医師等の診療日
じん肺症(じん肺結核含)の場合 じん肺症と診断された日
障害の原因となったケガや病気の前に相当因果関係があると認められるケガや病気が認められる場合 最初のケガや病気の初診日

 

2.保険料納付要件

障害年金を請求するためには、一定以上の保険料を納めていることが必要です。

原則として、初診日の前日において、初診日のある月の前々月までの公的年金加入期間のうち、3分の1以上保険料滞納期間がなければ保険料納付要件を満たします。

特例措置として、初診日が令和8年4月1日前にある場合、初診日の前日において、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料滞納期間がなければ保険料納付要件を満たします。(初診日に65歳未満の場合に限る)

3. 障害認定日要件

障害認定日」とは、初診日から1年6ヵ月経過した日、あるいは1年6ヵ月以内にケガや病気が治った(症状が固定した)日のことです。
障害年金を請求するためには、「障害認定日」において、一定の障害の状態()になっていることが必要です。

※ 一定の障害の状態とは、障害等級表(国民年金法施行令および厚生年金保険法施行令)に定める障害の状態にあることをいいます。

障害認定日の特例

施術 障害認定日とされる日
人工骨頭または人工関節挿入置換 施術の行われた日
心臓ペースメーカーまたはICD(植込み型除細動器)、人工弁の装着 装着日
新膀胱の造設 造設した日
切断・離断 切断・離断の日
切断・離断(障害手当金) 創面(傷口)治癒日
喉頭全摘出 全摘出日
在宅酸素療法 療養開始日
人工肛門造設または尿路変更術 造設・施術日から6ヵ月経過した日
脳血管障害による運動機能障害 6ヵ月経過日以後の症状固定日
人工呼吸器・胃ろう 6ヵ月経過日以後の恒久的措置日
人工透析療法 療法開始から3ヵ月経過した日

対象となる主な傷病

障害年金の対象となる主な傷病です。

区分 主な傷病
眼の障害 白内障、緑内障、ブドウ膜炎、眼球萎縮、癒着性角膜白斑、網膜脈絡膜萎縮、網膜色素変性症など
聴覚、鼻腔機能、平衡機能、そしゃく・嚥下機能、言語機能の障害 メニエール病、感音性難聴、突発性難聴、頭部外傷または音響外傷による内耳障害、薬物中毒による内耳障害、外傷性鼻科疾患、咽頭摘出術後遺症、上下顎欠損、失語症など
肢体の障害 上肢または下肢の離断または切断障害、上肢または下肢の外傷性運動障害、脳卒中、脳軟化症、重症筋無力症、関節リウマチ、ビュルガー病、脊髄損傷、 進行性筋ジストロフィー、変形性股関節症、脳髄液減少症など
精神の障害 認知症、老年性精神病、脳動脈硬化症に伴う精神病、アルコール精神病、頭蓋内感染に伴う精神病、そううつ病、てんかん性精神病、統合失調症、自閉症、アスペルガー症候群、注意欠陥多動性障害、高次脳機能障害など
呼吸器疾患の障害 肺結核、じん肺、気管支喘息、慢性気管支炎、膿胸、肺線維症、慢性呼吸不全、気管支拡張症など
循環器疾患の障害 慢性心包炎、リウマチ性心包炎、慢性虚血性心疾患、冠状動脈硬化症、狭心症、心筋梗塞、僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、高血圧性心疾患、高血圧性腎疾患(脳溢血による運動障害は除く)など
腎疾患、肝疾患、糖尿病の障害 糖尿病性腎症、慢性腎炎、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎、慢性腎不全、肝硬変、多発性肝膿瘍、肝がん、糖尿病、糖尿病性と明示されたすべての合併症など
血液・造血器、その他の障害 悪性新生物(がん)、再生不良性貧血、溶血性貧血、血小板減少性紫斑病、凝固因子欠乏症、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、ヒト免疫不全ウイルス感染症(HIV)、慢性疲労症候群、化学物質過敏症など

障害年金の種類

障害年金には、障害の程度と、初診日に加入していた年金制度が国民年金か、厚生年金保険かによって、受給する種類が異なります。

障害の程度 初診日が国民年金 初診日が厚生年金保険
1級 1級の障害基礎年金 1級の障害基礎年金+1級の障害厚生年金
2級 2級の障害基礎年金 2級の障害基礎年金+2級の障害厚生年金
3級 3級の障害厚生年金
3級より軽症 障害手当金(一時金)

障害年金の額(令和6年度)

障害基礎年金(定額)

1級 1,020,000円+子(※1)の加算額(※2
2級 816,000円+子の加算額

※1「子」とは、18歳到達年度末(3月31日)を経過していない子、
  または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子   

※2「子の加算額」は、第1子と第2子 234,800円、第3子以降 78,300円  

障害厚生年金   

1級 報酬比例の年金額×1.25+配偶者加給年金額(※3
2級 報酬比例の年金額+配偶者加給年金額   
3級 報酬比例の年金額(最低保障額 612,000円)   
障害手当金 報酬比例の年金額×2.0(最低保障額 1,224,000円)   

※3「配偶者加給年金額」は、234,800円

障害年金に該当する状態

障害の状態に応じて、法令により、障害の程度が定められています。障害者手帳の等級と障害年金の等級は、それぞれの機関で審査・認定されるものであるため、基本的に関係性はありません。

障害の程度 1級

他人の介助を受けなければ日常生活のほどんどができないほどの障害の状態。身まわりのことはかろうじてできるものの、それ以上の活動はできない方(または行うことを制限されている方)、入院や在宅介護を必要とし、活動の範囲がベッドの周辺に限られるような方が、1級に相当。

障害の程度 2級

必ずしも他人の助けを借りる必要はなくても、日常生活は極めて困難で、労働によって収入を得ることができないほどの障害。家庭内で軽食をつくるなどの軽い活動はできても、それ以上重い活動はできない方(または行うことを制限されている方)、入院や在宅で、活動の範囲が病院内・家屋内に限られるような方が、2級に相当。

障害の程度 3級

労働が著しい制限を受ける、または、労働に著しい制限を加えることを必要とする状態。日常生活にはほとんど支障はないが、労働については制限がある方が、3級に相当。

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